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JSA VISITOR CENTER
キャンプ・ボニファス内にある「JSA VISITOR CENTER」という建物に入ります。
「JSA VISITOR CENTER」内のシアターで「スライドブリーフィング」と呼ばれる朝鮮戦争やJSAについての事前説明を受けます。
そこで「訪問者(見学者)宣言書」が配られます。
宣言書にはたくさんの注意事項が書いてあります。
簡潔に言えば「勝手な行動は慎むこと」、「北朝鮮側に侵入してはならないこと」、そして「あなたが死亡することがあっても国連軍は責任を負わないということ」が書かれています。
これに署名することでその後の見学が可能になります。
朝鮮戦争やJSAに関する映像を見た後にトイレ休憩があります。
次に国連軍のバスに乗ります。
前のページ(「韓国の旅 -板門店が変わりました! 前半-」)で書いた通り、パスポートとカメラ(スマホ・携帯電話も可)しか持ち込めません。
国連軍のバスの座席は決まっていません。
トイレが済んだら眺めの良い窓側の座席を確保しましょう。
ここから再びアメリカ兵の判断次第で撮影が可能です。
窓の外に目をやると有刺鉄線のフェンスだけでなく田んぼも見えます。
自由の家
バスは自由の家に到着します。
軍事分界線のすぐ目の前にある建物です。
バスを降りて参加者のもっとも楽しみにしている場所に向かいます。
韓国軍の衛兵交代式
見学者は自由の家の南側の扉から建物に入ります。
軍事分界線を警護する韓国軍の衛兵交代式をたまたま見かけました。
これを見られるのは、とても珍しいことだそうです。
北側の扉から出ると、いよいよ有名な軍事停戦委員会の本会議場が目の前に現れます。
50m先には軍事分界線があり、その先から北朝鮮です。
軍事分界線の左右に青い建物があり、その間には衛兵が立っています。
遠くには板門閣という大きな建物が見えます。
北朝鮮側からツアーで板門店を訪れる観光客が、この板門閣の屋上にある展望台に姿を見せることがあるそうです。
その時に相手が手を振ってきても、こちらはそれに反応してはいけません。
先ほど署名した「訪問者(見学者)宣言書」に違反することになりますので気をつけましょう。
軍事停戦委員会の本会議場
軍事停戦委員会の本会議場に入ります。
本会議場に入ると部屋の中央に机があります。その机の半分よりも向こう側が北朝鮮です。
アメリカ兵の許可が出た後、自由に北朝鮮側に行くことができます。
時間は2分程度です。
本会議場の様子が以前と違う
・以前は中央の机に国連の小さな旗がありましたが、今は置かれていません。
・本会議場で警護する北朝鮮の兵士がいません。
記念の植樹
2018年4月に金正恩委員長と文在寅大統領が会談したことを記念して松の木が植えられました。
朝鮮戦争の休戦協定が締結された1953年に芽生えた松の木です。
土は韓国最高峰の漢拏山と北朝鮮最高峰の白頭山の土を混ぜたものです。
植樹後に金正日委員長がソウルを流れる漢江の水を、文在寅大統領が平壌を流れる大同江の水を松の木にかけました。
軍事停戦委員会の本会議場から東に50mほど行った場所にあります。
植樹の奥には北朝鮮側の監視塔があります。
人影はありませんが、中から監視カメラでこちらを見張っています。
徒歩橋
JSA内にあります。
2018年4月に金正恩委員長と文在寅大統領が会談した場所です。
金正恩委員長と文在寅大統領が通訳や警備員なしで30分間ほどここで会話しました。
テレビでもよく報道されていました。
以前は徒歩橋の見学はありませんでしたが、新たに追加されました。
ソ連大学生越境事件の記念碑
1984年11月23日、北朝鮮側からの板門店観光ツアーに参加していたソ連の大学生が軍事分界線を越えて南(韓国)側に侵入しました。
この大学生を追った朝鮮人民軍兵士が軍事分界線を越えたため、国連軍が攻撃して両者は衝突しました。
この事件で韓国軍兵士1名と北朝鮮の兵士3名が死亡しました。
今までの板門店ツアーではこの記念碑に行くことがなく、今回新たに追加されました。
何十年も板門店ツアーのガイドをしている人も初めて来たそうです。
*新たに追加された見学場所がある一方で「帰らざる橋」や「ポプラ事件」の場所には行かなくなりました。
12:00 板門店 出発
板門店を出発し、途中で元のバスに乗り換えて検問所から外に出ました。
DMZ内にいたのは10時から12時までの2時間ほどでした。
その後、昼食 (平壌式水冷麺)を 臨津閣公園内で食べました。
その後、再び検問所を通過してDMZに入りました。
13:15 第3トンネル 到着
第3トンネル
第3トンネルは軍事分界線まで約200m地点のところまで近付けることから一番多くの観光客が訪れるトンネルです。
トンネルの存在は脱北者の証言によって明らかになりました。
当初北朝鮮はトンネルを掘ったことを認めませんでした。
しかし、韓国は爆破跡の向きなどから北朝鮮が韓国側に攻め入るために掘ったものだと結論付けました。
全部で4つのトンネルが発見されています。
トンネル内の撮影は禁止です。
荷物はすべてロッカーに入れます。
金属探知機でチェックを受けた後、何も持たずに地下へと降りていきます。
行きは下りなので楽ですが、帰りは急な上り坂です。
しかも、とても、とても長いです。
体力に自信のない方は途中で引き返すほうが良いかもしれません。
トンネル内をトロッコで移動する方法もありますが、トロッコに乗るツアーに参加した人しか乗れません。
トンネル内ではヘルメットを被ります。
しゃがんでいてもヘルメットが天井に当たってしまうほど、天井の低い場所を歩きます。
今後北朝鮮がトンネルを通って来られないようにするため、韓国はトンネル内に壁を何重にも造りました。
トンネル内ではその壁まで行くことができます。
都羅展望台(とらてんぼうだい)
北朝鮮を望める都羅展望台です。
2018年に新しい展望台が完成しました。
無料の望遠鏡を通して北朝鮮の開城の街並みや見張り台が見られます。
開城は10世紀から14世紀まで朝鮮半島に存在した高麗の首都です。
当時は「開京」と表記していました。
天候があまりにも悪い日は開城の街並みは見られないそうです。
私が訪れたときは畑を耕す北朝鮮の人たちも見ることができました。
都羅展望台では写真撮影が可能です。
都羅山駅
韓国最北端の駅です。
都羅山駅構内は現代的なデザインでとても綺麗です。
北朝鮮の平壌行き列車の始発駅として建設されました。
そのため、平壌行きの列車のホームの案内もあります。
将来南北の関係が改善されたときに活躍しそうです。
南北出入境管理事務所、出入境審査台、税関なども用意されています。
北朝鮮への往来が可能になった場合に韓国からユーラシア大陸の最西端ポルトガルやイギリスまで鉄道で行けるようになることを示すルートマップがあります。
かつて都羅山駅は北朝鮮側に物資を運ぶために利用していましたが、現在は中断しています。
窓口で記念スタンプを自由に押すことができます。
15:00 都羅山駅出発
17:00頃 ソウル市内のプレジデントホテルに到着・解散
板門店ツアー後の感想
ガイドさんの話では規制が緩くなっているそうです。
その影響もあったのか、板門店ツアーでは予期していたような緊張感はなく「見学」というよりも「観光」というテイストが強かったです。
勝手ではありますが、もう少し緊張感のあるほうが良かったかなと個人的には思っています。
ただ、2018年の首脳会談以降、韓国と北朝鮮の関係が改善した結果とも言えるので評価すべきところかもしれません。
今回のような板門店の見学の行程はしばらく続きそうです。
しかし、試験的なものなので今後修正していく可能性は十分ありそうです。
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