ヨーロッパへ旅行した経験はありますか?
きっと何度も旅行した人もいると思います。
ご存知でしょうか。
今後ヨーロッパへの旅行する際に新たな手続きが増えることになります。
初めてヨーロッパへ旅行する人はもちろんのこと、旅行経験のある人こそ新しいルールが導入されることを知っておいたほうがよさそうです。
そうでなければ入国を拒否されてしまうリスクがあるからです。
ページ内の目次
2023年までのルール
ヨーロッパ旅行で失敗しないために、まずはこれまでのルールを確認しましょう。
お断りしておきたいのですが、ここで紹介していくルールはシェンゲン協定加盟国についてのみです。
シェンゲン協定に加盟していない国、たとえばイギリス、ルーマニア、モナコなどは国ごとにビザなどの入国条件を確認しましょう。
シェンゲン協定については後で説明します。
それでは、ご自分が渡航予定の国がシェンゲン協定に加盟しているか確認しましょう。
シェンゲン協定加盟国 一覧
アイスランド
イタリア
エストニア
オーストリア
オランダ
ギリシャ
クロアチア
スイス
スウェーデン
スペイン
スロバキア
スロベニア
チェコ
デンマーク
ドイツ
ノルウェー
ハンガリー
フィンランド
フランス
ベルギー
ポーランド
ポルトガル
マルタ
ラトビア
リトアニア
ルクセンブルク
リヒテンシュタイン
シェンゲン協定とは・・・
シェンゲン協定加盟国内を移動する際に国境を越えても入国審査などを受けずに自由に移動できる協定です。
たとえば、フランスとドイツは共にシェンゲン協定加盟国です。
日本から空路でフランスに入国した場合、フランスで入国審査があります。
ここで入国が認められれば、シェンゲン協定加盟国への入国も認められたことになります。
よって、フランスから鉄道でドイツへ移動した場合に国境で入国審査がありません。
シェンゲン協定加盟国内を移動する際に改めて入国審査を受けなくて済むのです。
旅行者にとっては入国審査の時間を節約できるメリットと、審査中の緊張感を味わうことなく気軽に国境を越えられるメリットがあります。
夜行列車に乗車すると目が覚めると別の国まで移動しているなんてことはシェンゲン協定加盟国内ではよくありますよね。
シェンゲン協定加盟国のビザが免除される条件
観光目的の渡航者は180日間の期間内で90日以内の滞在であればビザが必要ありません。
条件にある「180日間の期間内」という言葉が少しわかりづらいかもしれません。
2つの例を挙げて説明します。
例1:
シェンゲン協定加盟国のフランスに入国して90日滞在しました。
その後に日本へ帰国して、30日後にシェンゲン協定加盟国のドイツへ旅行する予定です。
フランスに入国してからドイツに旅行するまでの期間は90日と30日を足して120日です。
ビザが免除されるのは「180日間の期間内で90日以内の滞在」に限られます。
今回のケースでは120日しか経っていないのでビザ無しで91日目の滞在をすることはできません。
180日間の期間内で91日目の滞在を希望する場合はビザを取得しなければなりません。
例2:
ヨーロッパの旅行を計画しました。
日本からシェンゲン協定加盟国のハンガリーに入国してハンガリーで50日滞在します。
その後、鉄道旅行をします。
ルーマニアとブルガリアに合わせて100日滞在します。
このルーマニアとブルガリアはシェンゲン協定に加盟していません。
よって、「90日以内」という日数にカウントされません。
それから再びシェンゲン協定加盟国のギリシャに入国して30日滞在して日本に帰国する予定です。
この旅行は全部で50日+100日+30日で180日です。
その中でシェンゲン協定加盟国内の滞在は50日+30日で80日です。
180日間の期間内で80日以内の滞在ですね。
つまり、「180日間の期間内で90日以内の滞在」におさまっているのでビザは免除されます。
※シェンゲン協定加盟国以外のルーマニアやブルガリアに移動する際は国境ごとにパスポートを見せて入国審査を受けることになります。
ルールについておわかりになりましたか。
実際にはほとんどの旅行者にとってビザは不要ですね。
年に一度だけ数日間ヨーロッパを旅行する人にとっては関係ありません。
もし年末年始とゴールデンウィークに続けてヨーロッパへ旅行しても90日を超える滞在にはなりません。
このように、2023年までのルールではシェンゲン協定加盟国に渡航する前に面倒な手続きはなく、気軽に旅行できました。
2024年からの新しいルール ETIAS
2024年からETIAS(エティアス)が導入されます。
ETIASとは「European Travel Information and Authorisation System」の略称で「欧州渡航情報認証制度」と訳します。
旅行者は事前にこのETIASのオンライン申請をしなければなりません。
事前のオンライン申請は面倒ですが、危険人物の入国を事前に拒否してヨーロッパの安全を守るための制度と思って理解したいところです。
18歳以上は申請費用がかかります。
無事に審査を通るとビザを取得することなく90日以内の旅行ができます。
ここまでをおさらいします。
90日以内の滞在であればビザを取得しなくても旅行ができるという点は今までと同じです。
一方で、事前の申請が必要なことと費用がかかるという点が今までと違います。
ヨーロッパのETIAS(エティアス)やアメリカのESTAなど今後似たような制度を導入する国が増えていくかもしれませんね。
ETIASを導入する国は?
この制度を導入する国には先ほど紹介したシェンゲン協定加盟国すべてが含まれます。
その他にアンドラ、サンマリノ、バチカン、モナコへの入国の際にもETIASを導入することが決まっています。
キプロス、ブルガリア、ルーマニアも導入予定です。
オンライン申請で審査されること
氏名、住所、国籍などの基本情報だけでなく犯罪歴や紛争地域などへの渡航歴も審査されます。
気を付けたいのは紛争地域への渡航歴です。
たとえば、観光目的でシリアやイランに入国したことのある私はESTAを申請して渡航認証が許可されていてもアメリカに入国する際に厳しく審査されます。
現地で丁寧に説明するとようやく入国を許可されます。
けれども、事前のオンライン申請で入国を却下されれば詳しく説明する機会もありません。
渡航歴が心配な方は航空券を予約する前に詳しく調べておくことをおすすめします。
ETIASの有効期限は?
ETIASの有効期限は3年です。
期限内であれば対象国に何度も渡航できます。
ただし、3年以内にパスポートの有効期限が切れるとパスワードとともにETIASも無効になります。
パスポートの有効期限が近い場合はパスポートの更新を先におこなってからETIASの申請をしましょう。
まとめ
今後ヨーロッパへの渡航前にはひと手間加わることになりました。
ETIASは2024年に導入予定ですが、開始日や費用の詳細が確定したわけではありません。
ヨーロッパへ旅行する際には最新情報をぜひご確認ください。
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