旅行を充実させるために

ヨーロッパの鉄道にはユーレイルパスがお得です! 2023年版

ヨーロッパの鉄道を便利に利用する方法を知っていますか?

 

鉄道 スペイン AVE

ヨーロッパを旅するときは鉄道が大変便利です。

日本と同じく中距離・長距離の鉄道が豊富にあるため、訪ねたい場所の9割以上は鉄道を利用してたどり着けます。

バスの路線も充実していますが、バスターミナルまでのアクセスが不便な場合があります。

それに比べて鉄道の駅は街の中心にありますので便利です。

列車に乗っている間に気軽に国境を越えていけるのも使い勝手が良いところです。

そのヨーロッパの鉄道を利用する場合に便利なチケットがあります。

それがユーレイルパスです。

 

このページ内の目次

 

ユーレイルパスのメリット

鉄道 ヨーロッパ

まずはユーレイルパスのメリットをご紹介します。

1、ヨーロッパの鉄道が乗り放題。

2、乗車のたびに乗車切符を買う手間が省ける。

現地の切符売り場で間違わずにチケットを買うのはけっこう難しいものです。

3、切符売り場に行列ができていることもあるが、購入する時間を省くことができる。

4、面倒な手間がなく列車に乗り込める。

ヨーロッパの駅は日本と違って改札がありません。ユーレイルパスがあれば、切符を買うこともなくいきなり自分の乗りたい列車に乗り込めます

5、国鉄以外にも私鉄、船、美術館や博物館などを利用する際に無料や割引の特典を受けられます。

パスにガイドが付いているのでどのような特典が受けられるかチェックしてみましょう。

6、行動力がつく。

行動力がつくなんてたいしたことがないメリットに聞こえるかもしれません。

しかし、これはとても大きなメリットです。

いくつか見てみたい観光都市があっても毎回切符を買うのであれば高くついてしまいます。

円安であれば尚更です。

お金の面を心配して旅の行動範囲が狭まるのは残念です。

でも、パスがあれば「今日はパスを使う日にしたから、なるべくたくさんの観光都市を訪れたい!移動すればするほど得したことになるから♪」と思うようになります。

積極的に移動して観光しようという気持ちが湧いてきます。

旅の充実度が増しますね。

 

ユーレイルパスの種類

ユーレイルパスには大きく分けて3種類あります。

国別・地域別・利用日数別など自分に合ったパスを選びましょう。

どのユーレイルパスも初めて使用する時は駅の有人の切符売り場でパスを見せましょう。

それによりそのユーレイルパスが使用可能になります。

隣接する数カ国を周遊できるユーレイルセレクトパスは2018年12月に廃止されました。

 

1、ユーレイルグローバルパス

ユーレイルグローバルパスはヨーロッパの30カ国以上の鉄道がすべて乗り放題になります。

後述する他のパスの特長を考慮するとユーレイルグローバルパスは5カ国以上周遊したい人におすすめです。

ただ、範囲が広い分だけ料金が少し割高です。

 

ユーレイルグローバルパスには2種類あります。

通用日連続タイプとフレキシータイプの2種類です。

 

通用日連続タイプのユーレイルグローバルパス

通用日連続タイプは毎日のように長距離移動する人におすすめです。

一度使い始めたらその日から指定の日数が過ぎたところで期限が切れます。

通用日連続タイプには以下の種類があります。

・15日間

・22日間

・1ヶ月間

・2ヶ月間

・3ヶ月間

使用日数に応じて料金が変わります。

たとえば4月1日に15日間のパスを使用し始めたら、4月15日がパスを利用できる最終日になります。

長距離移動が毎日のようにあるわけではない人には割高になるのでおすすめしません。

 

フレキシータイプのユーレイルグローバルパス

もう1つはフレキシータイプです。

フレキシータイプは鉄道を利用したい日を選んでパスを使用します。

使用日数に応じて料金が変わります。

フレキシータイプには以下の種類があります。

・1ヵ月間で任意の4日を選択して使用する

・1ヵ月間で任意の5日を選択して使用する

・1ヵ月間で任意の7日を選択して使用する

・2ヶ月間で任意の10日を選択して使用する

・2ヶ月間で任意の15日を選択して使用する

※日本の旅行会社は上記のすべてのチケットを取り扱っているわけではありません。

具体的な料金は販売店(旅行会社)によって異なりますので比較してみましょう。

 

たとえば5日分のフレキシーパスを購入して、現地に12月10日から12月22日まで滞在する場合、12月11日、14日、15日、18日、21日のように日付を選んで5日分使用できます。

使用日は購入時や利用開始日に決める必要はありません。

旅先でスケジュールを変更しても支障なくパスを使用できます。

フレキシーパスは移動距離の長い日に使用しましょう。

移動距離が短い日に使用すると損するので、そのような日はフレキシーパスを使用せずに現地で目的地までの通常チケットを購入しましょう。

初めて使用する時は駅の有人の切符売り場でパスを見せましょう。

これによりパスが使用可能になります。

更に以下のことを怠らないようにしてください。

フレキシーパスを使用したい日は当日最初の乗車前までに日付記入欄に自分で日付を記入します。

日付が未記入の場合、最大で罰金200ユーロを支払うことになります。

なお、フレキシーパスを使用して移動する際に日付をまたぐことがあります。

その場合、前日のフレキシーパスで最初の降車駅まで移動できます。

たとえば、1月1日の午後10時にローマ発の夜行列車に乗り、日付をまたいだ1月2日の午前2時にヴェネツィアに到着したとします。

この場合、1月1日のフレキシーパスでヴェネツィアまで行けます。

 

2、ユーレイルワンカントリーパス(国別パス)

鉄道 ヨーロッパ

ユーレイルワンカントリーパスは国ごとに購入し、その1カ国のみ乗り放題のパスです。

1カ国でたくさんの見どころがある場合はこのパスが大変便利です。

一方、その国の見どころが1都市周辺に集まっているような場合や小さな国の場合は、移動距離が短く元が取れないのでおすすめしません。

ユーレイルグローバルパスと違い、1カ国でしか使用できない分だけ1日あたりの料金は安いです。

フランス、イタリア、オランダ、トルコなど多くの国でユーレイルワンカントリーパスが利用できます。

なお、ユーレイルワンカントリーパスにおいてベルギー、オランダ、ルクセンブルグの3カ国は「ベネルクス」というネーミングでまとめられ、1カ国として扱われます。

 

ところで、このサイトではユーレイルパスを紹介しています。

そのパスの1つとしてユーレイルワンカントリーパスがあります。

しかし、ドイツ、イギリス、スイスのためのユーレイルワンカントリーパスはありません。

ドイツ、イギリス、スイスはユーレイルワンカントリーパスではなく、各国で独自に国別パスを販売しています。

国別パスの各名称は以下の通りです。

  • ドイツ・・・・・・ジャーマンレイルレイルパス
  • イギリス・・・・・・ブリットレイルパス
  • スイス・・・・・・スイストラベルパス

ルールはユーレイルワンカントリーパスと変わりませんので難しく考える必要はありません。

鉄道 ヨーロッパ

私の経験からすると、ユーレイルワンカントリーパス、もしくは国別パスの中で大変役に立つのは、スペイン、イタリア、ドイツのパスです。

この3つの国は1カ国にたくさんの見どころがあります。

そのため、鉄道を多く利用します。

旅のスタイルにもよりますが、元が十分に取れると思います。

 

3、ギリシャアイランドパス 

ギリシャアイランドパスはギリシャの島々をフェリーで周遊できるパスです。

クレタ島、サントリーニ島、イオス島など53の島々を結ぶ航路が乗り放題になります。

ギリシャの島巡りをしたい方におすすめです。

 

4、セーバーパス 

※ユーレイルパスのセーバーパスは2018年12月に廃止されました。しかし、ユーレイルパスとは別のジャーマンレイルパスなどの国別パスには現在もセーバーパスがあるのでここに掲載します。利用したい方は訪問国にセーバーパスがあるか確認してみましょう。

セーバーパスは2名以上が同じ行程で旅行するときに割引されるパスです。

パスは1枚しか発行されません。

常に同行者と一緒にパスを使用する必要はありません。

たとえばAさんとBさんがセーバーパスを共有しています。

Aさんがセーバーパスを使って一人でベルリンからフランクフルトまで観光に出かけ、Bさんはベルリンに残って市内観光をしても構いません。

その後再びAさんがベルリンに戻ってこれば、Bさんと一緒にセーバーパスで別の場所に移動できます。

つまり、Aさんだけがセーバーパスを使用し、Bさんがそれに同行しなくても大丈夫なのです。

私のように一人旅しかしない者には縁がありませんが、二人以上の方は割引が大きいので

おすすめです。

なお、ドイツではセーバーパスのことを「ツインパス」と呼びます。

 

ここまでは用途別に分けた4種類のパスを紹介しました。

これらのパスは年齢や座席のランクによって料金が異なります。

 

年齢や座席のランクによって料金が安くなる

スイス 鉄道

・ユースパス

12歳以上27歳以下の人嬉しいパスです。

通常のパスの約2割引です。

若いってすばらしいです!

※12歳以上25歳以下の場合があります。

 

・チャイルドパス

4歳以上12歳以下の子どもは大人1人に対して2名までパスが無料でもらえます。

子どもが生まれてもお金の面では安心して旅ができますね。

 

・シニアパス

60歳以上の大人は割引が受けられます。

ユーレイルパスを使用する初日の時点でまだ59歳の場合は通常のパスを購入しなければいけませんのでご注意ください。

 

・座席のランク

ヨーロッパの鉄道車両には1等車と2等車があります。

 

1等車

1等車のほうがチケット代が高いです。

その分だけ混雑することはほとんどありません。

座席の幅も広く快適です。

路線によってはお菓子やウェットティッシュが無料でもらえます。

1等車のパスを持っている人は2等車の席に座っても構いません。

路線によっては2等車しかないこともあるので、その場合は2等席に座りましょう。

 

私の経験 ~1等車~

2等車は満席なのに1等車は自分1人だけということが何度もありました。

ビシッとスーツで決めているビジネスマンが2等車に座っていて、バックパッカーの自分が1等車に一人で座っているのは妙な気分でした。

でも、リラックスできるので快適なのは間違いありません♪

 

また、一部の路線では同じ車両内に1等車用の座席と2等車用の座席が並んでいることがありました。

前方の3列だけが1等車用の座席で、後方の20列が2等車用の座席でした。

私一人だけ悠々と1等席に座っていて、後方の2等席は満席で座れない人までいたのでなんだか申し訳ない気持ちになりました。

何はともあれ、このように1等車のパスには席を間違いなく確保できるメリットがありますね。

 

2等車

2等車はチケットが安いので地元の人たちが多く利用しています。

特典はありませんが、安く済ませられるのはメリットです。

2等車だから不便だということは特にありません。

1等車と2等車に清潔度の差が出ることもまずありません。

清潔度は路線によって差が生じます。

 

私の経験 ~2等車~

めったにありませんが、路線や時間帯によって座席に座れないことがあります。

長距離移動で座れないと忍耐との戦いになります。

特に夜行列車の場合は眠れなくてつらいです。

スロバキアからポーランドへ夜行列車で行った際、夜中に何時間もデッキに立っていることになり大変でした。

デッキには地元の若者もたくさんいて、窓を開けてタバコを吸っていたのでタバコのにおいにも困りました。

一番つらかったのは、窓が開いているせいか8月なのに極寒だったことです。

 

パス購入の際の注意

出発前に購入しておく

ここまでに紹介したお得なパスはヨーロッパに居住する人は買えません。

観光目的で訪れる外国人向けのパスです。

そのため、基本的に現地では買えないのです。

私の場合、出発前にJTBなどの旅行会社で航空券と共に買っていました。

ところで、日本でも外国人向けに同じサービスがあります。

ジャパン・レール・パスというもので新幹線なども乗り放題です。

どうりで物価の高い日本で外国人旅行客が新幹線によく乗っているわけですね。

日本に居住する私たちは購入することはできません。

 

パスの料金を比較する

料金は販売店(旅行会社)によって違いますので比較してみましょう。

なお、ユーレイルパスは紙媒体のチケットもありますが、ペーパーレスのモバイルパスもあります。

購入後にスマホに即座に追加できます。

現地で利用する際にはスマホの画面を見せればよいだけです。

詳しくはユーレイルの公式サイトをご覧ください。

上記の公式サイトで購入すれば余計な手数料がつかないので安く購入できます。

 

購入する前に本当にパスが必要か検討する

鉄道 ヨーロッパ

ユーレイルパスは1日に何都市も移動したい人におすすめです。

パスは乗り放題だけあって値段が高いです。

短距離の移動でパスを使うとかえって損をします。

損をしないために日本で旅のプランを考えてパスが必要か判断しましょう。

例を挙げてみます。

現地に7日間滞在するとしましょう。

 

ケース1

旅のプランを立ててみたら、毎日数十km程度しか移動しないと分かった。

→元が取れないのでパスは不要です。

 

ケース2

旅のプランを立ててみたら、7日間の中で数百キロに及ぶ長距離移動するのは4日間、それ以外の3日は市内観光や短距離移動のみだと分かった。

4日間分のパスを購入しましょう。7日間滞在するからといって7日分のパスを購入する必要はありません。

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パスを利用する際の注意

鉄道 ヨーロッパ

列車によっては乗り放題のパスだけでは乗れないことがあります。

長距離列車、高速列車、そして寝台列車はその可能性があります。

これらは座席指定の列車のため、座席指定料金を追加で払わなければいけないからです。

また、寝台列車は座席の種類による追加料金を支払うケースがあります。

通常の座席に座るか、ベッドを使用するかで料金が異なるので事前に窓口で席のタイプを選んで追加料金を支払いましょう。

追加料金の支払いを怠ると車掌に乗車拒否されます。

その場合、同じ目的地に向かう次の列車に乗るために何時間も待機することになります。

1日待つこともあります。

心配な方は乗車前に現地の駅構内にあるチケット窓口に行きましょう。

そこでユーレイルパスを見せ、追加料金を求められたら支払いましょう。

なお、多くの寝台列車はベッドタイプの席がなく追加料金は不要です。

 

ヨーロッパを鉄道で旅するならぜひ持って行きたい本

『ヨーロッパ鉄道時刻表』です。

英語表記は「European Rail Timetable」です。

この本なしで鉄道の旅をするのはかなり苦労すると思います。

最新のダイヤが掲載されている時刻表を用意しましょう。

スマホを持っていれば鉄道時刻を確認することもできます。

個人的には本で見たほうが前後の時刻が一目で分かるのでおすすめです。

特に、私のようにその時の状況によって次の目的地を決める人は、本のほうがさまざまなルートを一度に知ることができて便利だと思います。


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最後に

ユーレイルパスについてできる限りの情報を掲載いたしました。

ユーレイルパスは2019年に内容を大きく刷新しましたが、今後も状況にあわせて改善を図ると思われます。

旅行する際には最新の状況を確認しましょう。

すてきな旅行になるよう心から願っています。

 

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