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エジプトの旅 ‐アブ・シンベル神殿からホテルへ‐

アブ・シンベルに宿泊する旅行客はいない!?

エジプト アブ・シンベル神殿

アブ・シンベルをじっくりと見学していたら、先ほどのバスの運転手が英語で「まもなくバスが出発します」と呼びかけ始めました。

出発間近になるとクラクションで乗車をせかします。

『せっかくアブ・シンベルまで来たのに2時間足らずで空港に戻り、別の所に向かう人なんているのかな』と思いました。

しかし、なんと私以外の全員がバスに乗って神殿を去ってしまったのです!

私の感覚ではあこがれのアブ・シンベル神殿の見学に2時間では足りません。

私以外の旅行客は色々な国から来たツアー客のようでした。

ツアーの場合、急ぎ足で他の地へ向かうのかもしれませんね。

 

1人残された私

気温が50度を超える中、私1人が神殿に残りました。

ガイドブックを紛失して情報のない私は1つ不安になりました。

この砂漠の中で宿泊する場所はあるのだろうかと。

神殿内部の係員に聞いてみたら泊まれるところを2つ教えてもらいました。

地図も持っていない私はその説明を記憶にとどめて、すぐ近くの1つめのホテルに向かいました。

近くと言うのは本当に近くで神殿のすぐ横の平屋のホテルです。

でも、目の前まで行くと営業しているとは思えないほど朽ち果てた様子……。

もう1つのホテルを目指すことにしました。


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砂漠のオアシス

係員の言葉を思い出しながら神殿の敷地から外に出ました。

真っ白な砂漠に1本道が通っています。

専門的に言えば、あれが砂漠なのか定かではありません。

しかし、私には砂漠でした。

午後2時過ぎの太陽の光はとてもまぶしく、そしてのどはカラカラです。

考えてみれば、ホテルがどのくらい遠くにあるのか分かりません。

ずっと歩きました。

『本当にホテルがこっちにあるのだろうか』と心配になりました。

しばらくすると、どこかのガーマから礼拝を呼び掛ける放送が聞こえてきました。

灼熱の中、イスラム教の独特な放送が聞こえてきて、日本とはまったく違う異世界にいることを実感しました。

そのガーマを通過するとホテルの案内板が見えてきました。

『本当にあった!』

案内に従ってホテルにたどり着きました。

1泊の料金は日本円にして1万3000円ほど。

私が泊まるホテルとしては最高級のホテルです。

このホテルしか選択肢がないので高くても泊まることにしました。

エジプト Seti Abu Simbel Hotel

部屋に着いてびっくり!

すでに冷房が入っています。

エジプトのホテルで冷房が入っていたホテルに泊まったことがなかった私は感激しました。

テレビに、冷蔵庫に、お風呂に……一つひとつ感動しました。

日本にいれば何てことないことなのですが、カイロのホテルでシャワーがトイレの奥にあったように風変わりな経験をずっとしてきたので、それはもう感動的でした。

エジプト Seti Abu Simbel Hotel

 

部屋の外には屋外プール

エジプト Seti Abu Simbel Hotel

とても綺麗なプールです。

宿泊客は私以外に誰もいません。

迷わずプールに飛び込み、心ゆくまで泳ぎました。

 

屋外レストラン

エジプト Seti Abu Simbel Hotel

エジプトの喧騒とした町で食事を求めて歩き回っていた私が、今砂漠のオアシスで夜空を見ながら食事をしているなんて・・・・・・夢見心地でした。

そして、旅の最終目的地でこのような時間を過ごせていることが幸せでした。

 

空いっぱいの星

夜遅くに部屋から出てみました。

部屋の目の前に広がるナセル湖を眺めながら夜風を浴びようと思ったのです。

月光が湖の水面でゆらゆらと揺れています。

好きな音楽を流して、何千年も前のファラオたちが統治している時代を思い浮かべていました。

そして、おもむろに顔を空に向けました。

『うわぁ』と思わず声を上げました。

夜空が星で埋め尽くされていたのです。

無数の星によって空はとても明るいです。

天の川を生まれて初めて見ました。

 

最高に素敵なホテル

エジプト Seti Abu Simbel Hotel

今までに最高に素敵なホテルに何度か泊まったことがあります。

その1つがこのSeti Abu Simbel Hotelです。

それはもう砂漠のオアシスのようでした。

みなさんが行ったらどのくらい満足されるかは分かりません。

苦労しながら旅をしてきた私にとってはこのホテルが格別に思えたのかもしれません。

いつか必ずまた訪れたいと思っています。

 

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