鉄道が未発達な国や地域を旅するとき、長距離バスを利用する機会が多くなります。
ここでは海外の長距離バスを利用する際の知識をまとめます。
バス旅行のヒントになれば幸いです。
バス旅行の計画を立てる際に気をつけたいこと
バスは交通渋滞や道路事情によって到着時刻が予定より遅れることがあります。
バスの整備が終わらなくてなかなか出発しないこともあります。
バスが途中で動かなくなり、臨時のバスが来るのを待つこともあります。
バスの座席が埋まるまで出発しないこともあります。
私の経験では、西アフリカのマリ共和国で7時間で到着すると言われていたのに実際には19時間掛かったことがあります。
夕方6時に着くと思ったら翌日の早朝6時に到着したのです。
海外でバスに乗って長距離移動するときは、あらかじめその後のスケジュールに余裕を持たせておきましょう。
バス選びで注意したいこと
長距離バスには12時間以上かけて目的地まで行くこともありますので、なるべく快適なバスを選びたいものです。
中南米や中東のバスターミナルに行くと、各バス会社のデスクがあってバスのチケットを売っています。
同じ目的地に行くバス会社の中から1社を選ぶポイントを4つ紹介します。
①自分の目的地に向かうバスの出発時刻を比較する
あまり待ち時間が長いのは避けたいです。
運が悪い場合、目的地に向かうバスの出発が一番早くて30時間後ということもあります。
②到着時刻を比較する
出発時刻が早いからと安心してはいけません。
実はいくつもの町を経由するため、到着時刻は他より遅いことがあります。
到着時刻は必ず確認しておきましょう。
到着時刻が早くて不都合なこともあります。
バスが翌日の午前1時に着くのと午前9時に着くのはどちらがよいでしょうか。
アフリカや中東のバスは到着時刻が午前1時過ぎなど夜中になることがあります。
目的地のバス停周辺は夜中真っ暗で、そのうえ宿泊場所が近くにないかもしれません。
地元の乗客は家族が迎えに来ているので問題ありませんが、旅行客は路頭に迷います。
これなら到着が遅くても午前9時に着いたほうがいいですよね。
到着場所によっては深夜から早朝まで犯罪が多発する恐れもあるので、到着時刻に気を配りましょう。
③値段を比較する
安いほうが良いです。
しかし、安い分だけ停留所が多くて乗車時間が長かったり、バスの設備が不十分だったりします。
④バスの設備を確認する
トイレがあるかどうかは重要です。
バスに10時間以上乗ることもあります。
バスは数時間に1度休憩で停まりますが、夜中は一切停まりません。
ちなみにたとえ休憩しても休憩場所にトイレはなく、「各自そのあたりで・・・・・・」ということもあります。
バスの中にトイレがあるといいですね。
写真にだまされないように!
バスターミナルのデスクにはバスの内観や設備を紹介する写真があります。
「綺麗なトイレもついているし、シャンデリアみたいな照明もついている。こんなに立派なバスがこの国にあるんだ!」と感心します。
デスクの担当者も設備の充実度をアピールしてきます。
しかし、だまされてはいけません!
その写真は新車の時のものです。
実際にバス乗り場へ向かうと、似ても似つかぬボロボロのバスに案内されることが多いのです。
トイレは汚くて扉の鍵も掛からない。
シャンデリアは付かない。
テレビもエアコンも壊れている。
リクライニングシートは古すぎて後ろに倒れないなど老朽化がひどいのです。
そのため、デスクの写真はあまり信じないようにしましょう。
もし新しいバスに乗りたいのなら、バスターミナルに停まっているバスを先に見にいきましょう。
そのバス会社を確認し、そのデスクに行くのが良いと思います。
長距離バスに乗った時の食事事情
①30分程度の食事休憩がある
8時間以上の旅になると夕食や昼食の休憩があります。
食事の回数が2回以上になることもあります。
一方でお昼過ぎに出発して到着が翌日の朝になる場合でも、食事は夕食の1回しかないこともあります。
バスのチケットを購入する際に食事回数を確認しておくとよいでしょう。
バスの運転手は現地の言葉しか話せないことがあるため、食事休憩後の出発時間を伝えられても理解できないことがあります。
特に、中南米や中東、アフリカの長距離バスはアジア人どころか欧米の旅行客もまったくいない路線もあります。
このようなバスに乗るときは会話が通じないことがよくあります。
食事休憩になると、乗客や運転手はバスから降りてみな自由に食事をとることになります。
みんなが食事している間、バスに残れる場合もありますが、多くの場合は外に出なければなりません。
自分の荷物が心配かもしれませんが、貴重品だけ持ってバスから降りましょう。
バックパッカーはバックパックごと持ち歩くのが一番安全です。
他のバスも同じ場所で食事休憩をとることが多いため、時間帯によってはかなり混雑します。
バスをのんびり降りると、食事の注文までに時間が掛かってしまうことがあります。
自分が注文する頃には同じバスの乗客がバスに戻り始めることがあり、焦ります。
食事休憩の場所に着いたら置いてきぼりにならないようにバスから降りて、早めにメニューを頼みましょう。
トイレ休憩が途中一度もないことは珍しくありませんので、食事休憩の際には必ずトイレに寄っておきましょう。
出発時に多くのバスが停車していて自分のバスが分からなくなることがあります。
ナンバープレートの数字を覚えておくと安心です。
②バスの中に軽食や飲み物を売りに来る
出発前そして途中のバス停で物売りがバスに乗り込んでくることがあります。
運転手は物売りが乗り込んでくることはいつものことなので何も言いません。
物売りがバス内にいる間、バスは停車していることがほとんどですが、発車することもあります。
飲み物やお菓子などを買って食糧の補給をしてもよいでしょう。
アフリカなどでは停車中のバスの外から牛肉や鶏肉の串焼きなどを売ろうとする人もいます。
彼らはバスが通る時間を見計らって自分が営むお店の料理を売りに来ています。
物売りの中には前から歩いてきて勝手に膝の上に商品を置いていく人もいます。
中南米で多く見かけます。
このような場合、商品の多くはアクセサリーや民芸品です。
買う気がないなら、膝の上でそのまま放置しましょう。
物売りはバスの最後尾でUターンし、再び戻ってくる際にその商品を持っていきます。
もし買いたいと思ったら、値段を聞いて支払えば購入できます。
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