イスラエルに行く前に知っておきたいイスラエル・パレスチナ問題
まずは歴史を振り返ってみましょう。
イスラエル観光に関わる場所や人物を織り交ぜて説明していきます。
紀元前にさかのぼるユダヤの歴史
旧約聖書によれば、神はユダヤ教の父祖アブラハムにカナンの地を与えました。
神がアブラハムの子孫に与えると約束した土地なので、カナンは「約束の地」と言われています。
冒頭から神が登場したので、みなさんは「歴史というより神話なのでは?」と思ったかもしれません。
でも、考えてみれば日本の歴史も同様です。
日本書紀には天照大神(あまてらすおおみかみ)などの神が登場します。
天照大神は初代・神武天皇の祖先だと書かれています。
なので、旧約聖書についても信憑性については気にせず読み進めましょう。
さて、ユダヤ人が約束の地に住み始めるとすぐに飢饉が起こったため、彼らはエジプトに移住しました。
しかし、エジプト人にとって移住してきたユダヤ人は邪魔者でした。
ユダヤ人は奴隷にされて迫害を受けました。
その後、モーセがユダヤ民族を率いてエジプトから脱出します。
モーセが海の前で手を掲げると、水が二手に分かれて海に道ができたという有名な逸話がありますね。
ユダヤ民族は約束の地に戻り、紀元前1020年頃にイスラエル王国を建設しました。
今から3000年以上も前にイスラエルと名のつく国が誕生していたのです。
イスラエル王国で有名な王は2代目のダビデ王です。
元々は羊飼いだった少年ダビデが敵の兵士ゴリアテを倒して英雄となり、王座に就きました。
このダビデ王が首都をエルサレムと定めました。
(ちなみにダビデは英語でDavidと書きます。英語圏ではポピュラーな名前デービッドの由来となっています。)
さて、3代目の王ソロモンの死後、イスラエル王国は分断し、その後滅ぼされてしまいます。
推定1万5000人以上のユダヤ人が強制移住させられたバビロン捕囚では過酷な肉体労働を強いられました。
(このように振り返ってみると、ユダヤ人への迫害はナチスだけではなく、エジプトやバビロニアなどによって歴史上断続的に続いていたことがわかります。)
やがてユダヤ人は再び約束の地に戻ります。
そして紀元前20年頃にユダヤ人のヘロデ大王がエルサレム神殿の建設を始めました。
(この神殿の壁が現在では「嘆きの壁」という名で残っていて、ユダヤ教の聖地になっています)
でも、ユダヤ人にとって穏やかな生活は長く続きませんでした。
すぐにローマ軍に支配されてしまうのです。
ユダヤ人は自分たちの国や土地を失い、世界中に散らばって暮らすことになります。
中世ヨーロッパでも続くユダヤ教徒の迫害
中世ではキリスト教徒がユダヤ教徒を迫害していました。
その理由の1つがイエスの存在定義です。
キリスト教徒は「イエス様こそが救世主メシアだ!」と信じていました。
キリスト教は英語でChristianity [イエスをキリスト(救世主)と信じる宗教]、つまり「救世主教」という意味です。
しかし、ユダヤ教徒は「救世主メシアはいまだ現れていない」と考えていたのでキリスト教徒の怒りを買いました。
そして、1098年に第1回十字軍がイスラム教徒からエルサレムを奪還した時のことです。
キリスト教徒は周辺に暮らしていたユダヤ人たちをシナゴーグ(ユダヤ教の教会)に閉じ込めて、火をつけて殺害します。
それをきっかけにヨーロッパ全土でもユダヤ教徒への迫害がひどくなりました。
ユダヤ人は自分の国や土地を失ってから1000年経ってもそれらを取り戻すどころか、迫害を受ける不遇の時代を送っていたのです。
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