シリア 中東

シリアの旅 -危険だけど見どころの多い国-

*このページはISがパルミラを破壊する少し前の旅を記録したものです。

シリアにはイスラム教第4の聖地がある!

シリア ダマスカス ウマイヤド・モスク

 

シリアの基本情報

正式国名 シリア・アラブ共和国

首都 ダマスカス

言語 アラビア語

通貨 シリアン・パウンド

プラグ BとCタイプが多い。

ビザ  必要。平常時は在日シリア大使館で取得可能ですが、情勢が不安定であるため渡航は控えましょう。こちらから最新情報をご確認ください。

※イスラエルの入国印がパスポートに押されている人はイスラエルと対立関係にあるシリアに入国できないので注意しましょう。両国とも訪れたい場合はシリアから入国してください。

シリア パルミラ遺跡

 

ダマスカス

ダマスカスはシリアの首都です。

私はイラク人と一緒にシリアの国境を越えてダマスカスまで来ました。

危険であっても、なんとか人々は生活しています。

いえ、意外と普段通りの生活をしています。

 

スーク

シリア ダマスカス スーク

スークとは商業地区のことです。

ダマスカスではスーク・ハミティエが最も有名です。

長い屋根付きの商店街です。

けっこう人がいます。

香辛料は量り売りです。

シリア ダマスカス スーク

 

お菓子は飴やキャラメルが人気です。

シリア ダマスカス スーク

 

ラズベリーのジュースは甘酸っぱくて絶品です!

シリア ダマスカス スーク

 

シリアの町でよく見かけるシャワルマ。

おすすめの食べ歩きグルメです♪

羊の肉を切り分ける際などにできる半端な部分を長時間あぶって、薄いクレープのようなピタでくるくる包んで食べます。

シリア ダマスカス 料理

 

ウマイヤド・モスク 

シリア ダマスカス ウマイヤド・モスク

イスラム教第4の聖地です。

メッカ、メディナ、エルサレムに次ぐ聖地です。

705年に建てられた現存する世界最古のモスクです。

 

聖ヨハネの首塚がある

シリア ダマスカス ウマイヤド・モスク

モスク内に洗礼者ヨハネの首塚の聖堂があります。

ヨハネとはイエスに洗礼を施したヨハネです。

聖堂には多くの人々が集まって順番に祈りを捧げています。

聖堂内部はミステリアスな緑色に照らされています。

シリア ダマスカス ウマイヤド・モスク

 

魔性の女サロメ

紀元前15年頃に生まれたヘロディアという女性がヘロデ大王の息子ヘロデ王子と結婚しました。

しかし、へロディアは夫ヘロデ王子の異母兄弟であるヘロデ・アンティパスと不倫関係になりました。

洗礼者ヨハネがその関係を知って非難すると、アンティパスに捕らわれて屋敷の牢屋に閉じ込められてしまいました。

アンティパスは自分の誕生日に祝宴を開き、愛するへロディアとその娘サロメを招きました。

サロメは妖艶な舞を見せてアンティパスを魅了します。

アンティパスはその褒美として望むものを何でもやろうとサロメに約束しました。

サロメは母へロディアに相談します。

ヘロディアは自分を非難したヨハネへの恨みから「ヨハネの首を」と言いました。

サロメは母に従ってヨハネの首を望みました。

アンティパスはどうするべきか迷いましたが、約束した手前その通りにするしかありませんでした。

このようにしてアンティパスはヨハネの首をはねてしまったのです。

この逸話によって男を破滅させる魔性の女という意味を持つ「ファムファタール」の代表例としてサロメの名が挙げられるようになりました。

なお、新約聖書ではサロメという名は出てきませんが、フラウィウス・ヨセフスが著した『ユダヤ古代誌』でサロメという名で紹介されてその名が広まりました。

新約聖書にならって単にヘロディアの娘と呼ぶこともあります。

 

なぜイスラム教のモスクにヨハネの首塚があるのか?

イスラム教の教えによればユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神は同じです。

つまり、イスラム教にとってもイエスやヨハネは神がお遣わしになった預言者になるわけです。

そのため、イスラム教徒から聖人として崇められているヨハネの首塚がモスク内にあってもおかしくはないのです。

 

真っすぐな道

シリア ダマスカス

「真っすぐな道」は新約聖書に登場します。

時は西暦34年頃のことです。

イエスの信徒たちを迫害していたサウロという男が失明します。

サウロはイエスの声を聞きます。

「サウロ、なぜ自分を迫害するのか。私はあなたが迫害しているイエスだ」と。

それからイエスは「ダマスカスの『真っすぐな道』に行きなさい」と告げます。

ちなみにイエスは西暦30年頃に十字架にはりつけにされて他界しています。

同行者がサウロを真っすぐな道へ連れて行き、サウロはその道に面した家で待ちます。

イエスは弟子のアナニヤに呼びかけてその家に遣わします。

アナニヤがサウロに手を置くとなんとサウロの視力が回復しました。

サウロはこれを機にキリスト教徒に改宗します。

この出来事を「サウロの回心」と言います。

サウロは名を改めてパウロと名乗るようになります。

その後はローマからスペインまで伝道するなどキリスト教の布教活動に励みました。

最期は暴君ネロによってローマで斬首刑となって殉教したと言われています。

聖パウロを冠する大聖堂として有名なのがロンドンにあるセントポール大聖堂です。

パウロは英語ではポールと読みます。

日本には聖パウロと名の付いた学校もありますね。


 

シリア最大の見どころはパルミラにある!

隊商都市パルミラ

ダマスカスから3時間以上かけてパルミラに到着しました。

到着したのは夜中でした。

2世紀に栄華を極めたシルクロードの隊商都市です。

このパルミラを訪れないと「シリアを訪れたことにはならない」と形容されるほど壮大な遺跡があります。

 

パルミラ遺跡

シリア パルミラ遺跡

中東の「スリーP」と言って、中東にはPから始まる歴史上大変価値のある3つの遺跡があります。

シリアにあるパルミラ、ヨルダンにあるペトラ、イランにあるペルセポリスです。

その1つであるパルミラ遺跡を訪れました。

ローマ帝国支配下の都市遺跡です。

遺跡には保存状態の大変良い神殿や門があります。

砂漠の真ん中にある遺跡を見て回るのはとても暑くて大変でしたが、休憩を挟みながらたっぷりと堪能しました。

世界遺産に登録されています。

遺跡の中でも有名な建造物を紹介します。

 

バールジャミン神殿

シリア パルミラ遺跡

 

四面門

シリア パルミラ遺跡

 

列柱道路

シリア パルミラ遺跡

 

ベル神殿

シリア パルミラ遺跡 ベル神殿

*残念ながら、「バールジャミン神殿」と「ベル神殿」は、IS(イスラム国)により破壊されたと報道されています。

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シリアの旅を終えて

旅は心から「楽しい!」と言えるものではありませんでした。

それは紛争による危険が原因ではありません。

シリア人は珍しいアジア人の私を見つけるとからかってきたり、罵倒したりするからです。

これは中東ではよくあることです。

そのため、シリア人に対する印象はあまり良くありませんでした。

もちろん親切にしてくれる人もいました。

 

それから少し経って、IS(イスラム国)がこのパルミラ遺跡に侵攻しました。

遺跡を破壊するだけでなくパルミラで400人を殺害しました。

あの街の規模が大変小さかったことを考えると、私が出会ったパルミラの人たちも被害にあったのではないかと心配しています。

 

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