ラマダンとは?
そもそもラマダンとは何なのでしょう?
ラマダンとはイスラム教徒が1ヶ月間ほど断食して身を清め、信仰心を高め、そして神を讃えることを目的としています。
1ヶ月間も断食したら死んでしまうよ!……と心配してしまいますが、断食をするのは日の出から日の入りまでです。
とりあえず餓死の心配はなさそうですが、太陽が出ている間は何も食べられません。
水などの飲み物も飲めません。
ラマダンの実施時期は?
イスラムの暦で9番目の月に実施されます。
太陽暦とは異なるため、毎年実施する時期が違います。
近年は春頃がラマダンの時期になっています。
ラマダンは苦行ではない!?
太陽が出ている間は一切の飲食ができないので苦行のように感じます。
しかし、イスラム教徒は毎年おこなわれるラマダンに慣れているので私たちが心配するほど苦ではないそうです。
また、ラマダン期間中は日が沈むと親戚や近所の人達が集まって夕食会が始まります。
国や地域によって差があるとは思いますが、毎晩のようにパーティーをする人達もいると聞きます。
そのため、ラマダンが終わった時に以前よりも太っている人も少なくないそうです。
つらいのは朝の早起き!?
何も食べられないことに関心を向けてしまいますが、意外とつらいのが早起きです。
日の出前に朝食を済ませなければいけません。
夏は午前4時前後に日の出を迎えます。
そのため、午前3時には起床して朝食を食べています。
早起きが苦手な人にはこれが一番つらいかもしれません。
ラマダンの時期は日本人も昼間に食事できない!
私がカタールを訪れた時はちょうどラマダンの時期でした。
イスラム教を国教に定めている国に行ったことはありましたが、ちょうどラマダンの時期に訪れるのは初めてです。
私は避暑地を求めてショッピングモールに来ていました。
モール内のレストランはすべて閉まっています。
ラマダンなので飲食店は日中の営業をしていないのです。
ただ、モール内のスーパーマーケットは営業しています。
そこは多くのお客さんで賑わっています。
夕食のお買い物をしているようです。
私はスーパーマーケットから一度出た後に考えました。
『カタールに来たのに何も食べないのはさすがにもったいないな。そもそも私はイスラム教徒ではないし♪』と。
再びスーパーマーケットに戻り、すぐに食べられそうなカタール料理のお惣菜やライスを買いました。
そして、モールの目立たないところで遅めのランチを食べ始めました。
15分くらい経ってショッピングモールの警備員がなぜか私のところにやってきました。
『何事ですか??』と尋ねると警備員はこう言いました。
「今はラマダン中だぞ。これ以上食べると警察に連れて行くぞ!」
…… ……『すみません』
旅の途中で警察のお世話になるのは面倒なので、私は食事をやめてすたこらさっさとショッピングモールから出て行きました……。
イスラム教徒に関係なくラマダン期間中に飲食をしていると警察沙汰になるそうです。
逮捕されるわけではありませんが、お叱りを受けてしまうようです。
風紀を乱すからでしょうか。
かくして、私は45度の猛暑の中に逆戻りです。
とても暑いです。
しかし、食べ物を捨てるのはもったいなくてできません。
大通りにある大きな看板の裏に隠れました。
ここであれば人目につかなさそうです。
誰かに見つかったら通報されるのではないかという緊張感の中、大量の汗をかきながら猛スピードで食べました。
まるでアニメのワンシーンのような食べっぷりでした。
警察の監視の下で飲食が厳しく禁止されているなんてやはりラマダンは大変ですね。
-
-
「カタールの旅 -世界で最も豊かな国は異常に蒸し暑い-」 読めばすぐに行きたくなる旅行ガイド
続きを見る
-
-
「シリアの旅 -危険だけど見どころの多い国-」 読めばすぐに行きたくなる旅行ガイド
続きを見る