韓国の王の歴史を知ろう
ソウル観光を楽しむためには韓国の歴史を多少知っておくと良いと思います。
かつての王宮を訪れる人が多いと思いますので王についてできる限り簡潔にまとめました。
このページ内の目次
高麗の時代
新羅・百済・高句麗などが勢力を競い合う時代の後に高麗(コリョ・こうらい)によって朝鮮半島は統一されました。
KOREA(コリア)という英語表記はこの高麗(コリョ)という発音が元になっています。
李氏朝鮮の時代
その高麗を倒したのが李氏朝鮮です。
李氏朝鮮は1392年に全国を統一して1897年まで国を治めました。
朝鮮最後の統一王朝です。
韓国の歴史ドラマの舞台になるのはこの李氏朝鮮の時代がほとんどです。
李氏朝鮮とは?
李氏朝鮮ってなんか聞くけど、いまいち分からないという方もいるかもしれません。
李成桂(イ・ソンゲ)、つまり「李」「さん(氏)」が「朝鮮」で王になったことで始まった国なので李氏朝鮮と言います。
もっと昔の時代に衛さんが王であったため、衛氏朝鮮(えいしちょうせん)の時代がありました。
それと区別しています。
中国と李氏朝鮮の関係はどのようなものだったか
中国は宗主国(そうしゅこく)で李氏朝鮮は従属国でした。
宗主国とは他国(従属国)に対して強い支配力を持っている国のことです。
大国である中国が小さな国より優位に立つのはなんとなく理解できますね。
「皇帝」と「王」
宗主国である中国の王は、アジアの国々で王と名乗る者がいることを快く思いませんでした。
そこで秦の始皇帝は自らを「皇帝」と名乗りました。
それによって中国の「皇帝」のほうが他国の「王」よりも上位であると知らしめたのです。
一方で、従属国の王は「皇帝」と名乗ることはできません。
また、従属国の王は中国の皇帝の許しを得てはじめて「王」に即位することができました。
つまり、韓国の歴代の王は国のトップになるために、中国の皇帝から許しをもらわなければいけなかったのです。
その主従関係によって韓国の王の中には辛酸をなめる思いをした人もいます。
中国の皇帝から「王」になる許しをなかなかもらえず苦労した代表的な人物が光海君(カンヘグン)です。
光海君は正妻の子ではない庶子でした。
次男でもあったため、中国の皇帝から認めてもらえなかったのです。
光海君はソウルの王宮とも関係があり、歴史ドラマにもよく出てきます。
従属国からついに脱する
1894年に日清戦争で日本が清に勝利します。
敗戦国の清は李氏朝鮮への支配力が弱まります。
そのような状況下で李氏朝鮮は1897年に国名を「大韓帝国」に改めます。
念願かなって韓国の王は清の皇帝と肩を並べるかのように「皇帝」と名乗るようになりました。
初代皇帝は光武皇帝(高宗)。
二代目は隆熙皇帝(純宗)です。
しかしながら、大韓帝国誕生後わずか13年後に日本の韓国併合がおきます。
皇帝は二代目で途絶えてしまいました。
朝鮮時代に使用されていた王宮の変遷
・1395年~ 景福宮
李氏朝鮮王朝を開いた初代国王・李成桂(イ・ソンゲ)は漢陽(現在のソウル)を首都にすることを決め、景福宮を王宮として使用しました。
その後長くに渡って景福宮が正宮として使用されますが、1400年代後半に第9代成宗は昌徳宮を正宮として使用した時期があります。
・1615年~ 昌徳宮
1592年の文禄の役(豊臣秀吉が明の征服をめざして朝鮮に侵略した戦争)の際に、朝鮮の人々によって景福宮と昌徳宮は放火されました。
第15代国王光海君(カンヘグン)によって昌徳宮は再建され、正宮となりました。
・1868年~ 景福宮
第26代国王・高宗の父が再建し、再び正宮になりました。
・1896年~ 王宮に王不在
日本の脅威を恐れた第26代国王・高宗(のちの初代皇帝)はロシア公使館へ逃げ込み、そこで政務を執るようになりました。
・1897年~ 慶運宮(徳寿宮の当時の名称)
ロシア公使館で政務を執っていた高宗が慶運宮を新たな正宮として使用しました。
・1907年~ 昌徳宮
大韓帝国第2代皇帝・純宗が昌徳宮を再び正宮として使用しました。
・1910年~ 韓国併合によって王宮としての役割が終了
1912年からは日本が設置した朝鮮総督府の庁舎の建築が景福宮の敷地内で始まりました。
その際に景福宮の建物の多くが壊されました。
宣政殿(ソンジョンジョン)、大造殿(テジョンジョン)、熙政堂(ヒジョンダン)は1920年に昌徳宮に移されました。
王宮に関わりのある出来事
文禄の役
1592年から始まった豊臣秀吉が朝鮮を攻めた戦争です。
このときに昌徳宮(後苑も含む)、景福宮、昌慶宮は民衆の放火の的になり、焼失しています。
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