エルサレム旧市街は三大宗教の聖地が集まっている!
エルサレム旧市街は世界屈指の観光地です。
でも、「観光地」という表現は少し軽い感じがしてしっくりきません。
なにせ「聖地」ですので。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大宗教、これらの聖地が旧市街に集まっているというのは必然的ではありますが、奇跡のようにも感じます。
旧市街には世界遺産も複数あります。
しかし、聖地を前にしては世界遺産という言葉さえありがたみを感じません。
最初にエルサレム旧市街には4つのエリアがあることを覚えておきましょう。
・ユダヤ人地区
・キリスト教徒地区
・ムスリム地区
・アルメニア人地区
旧市街の城壁はいつ造られたのか?
旧市街は周囲を城壁に囲まれています。
エルサレムは歴史がとても古いので、城壁にも数千年の歴史があるような気がしてしまいます。
現在の城壁は16世紀にオスマン帝国によって建設されたものです。
城壁には門が8つある
城壁には内外をつなぐ門が8つあります。
どれも立派で一度は通ってみたくなります。
そのなかでも最も美しいのがダマスカス門です。
この門を出て街道を進むと、シリアの首都ダマスカスまで通じていたので古くからそう呼ばれています。
この8つの門以外で旧市街を出入りする方法はありません。
旧市街を出入りする場合はどの門から出入りすると次の目的地に効率よく行けるか、あらかじめ地図を見て確認しておきましょう。
ところで、旧市街は迷路のように小道が入り組んでいるところが多数あります。
また、似たようなスーク(市場)もたくさんあります。
ガイドブックの地図は小道までは詳細に記されてはいません。
そのため、私はダマスカス門から聖墳墓教会に辿り着くのにとても苦労しました。
一度迷うと自分の正確な居場所がわからなくなるので気をつけましょう。
地図を頼るだけでなく来た道をしっかり覚えておくことも大切です。
ユダヤ人地区の見どころ
ユダヤ教最大の聖地 「嘆きの壁」
紀元前20年にヘロデ王がエルサレム神殿を改築しました。
その神殿はユダヤ人にとっては最も神聖な建物になりました。
紀元後70年にローマ軍がエルサレム神殿を破壊したため、神殿の西の壁だけが残りました。
ユダヤ人は残された神殿の壁に向かってお祈りを続けました。
夜露が壁を伝って流れ落ちる様子がユダヤ人の嘆き悲しむときの涙に見えたので、「嘆きの壁」と呼ばれるようになりました。
おそらくユダヤ人は残された壁の前で本当に嘆き悲しみながら祈ったことでしょう。
その後、ユダヤ人は世界中に分散し、ずっと…ずっと…ずぅ~っと長い間「自分たちの国をつくりたい!」と願い続けました。
そしてついにユダヤ人のために国がつくられたのです。
それがイスラエルです。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争に勝利してユダヤ人はエルサレムに立ち入りできるようになりました。
実に1900年ぶりに嘆きの壁で自由に礼拝できるようになったのです。
現在でもエルサレム周辺は不安定な情勢にあるため、嘆きの壁のエリアに入る際に手荷物検査を受けます。
肌の露出が多いと壁には近づけませんので服装に気をつけましょう。
また、男性は頭を隠さなければいけません。
私は帽子を被っていましたが、帽子がなくても入口でキッパ(小さな帽子)を貸してくれます。
写真で祈っている人は男性のみです。
男女は仕切られた別々の場所でお祈りをします。
ユダヤ教の身なりには特徴がある
ユダヤ教徒の身なりには大きな特徴があるため、見ればすぐにユダヤ教徒だとわかります。
特徴は以下の通りです。
・キッパ
ユダヤ教徒は頭にキッパという小さな帽子をのせています。
自分の頭上に神がいることを常に意識することが目的です。
・テフェリン
黒い革ひもで頭と片腕にテフェリンという小さな革箱を固定しています。
テフェリンには旧約聖書の言葉が記された羊皮紙が入っています。
テフェリンを腕につける際は利き腕とは反対側につけます。
黒い革ひもを腕に7周巻き、指にも6周巻いて固定します。
・タッリート
男性はタッリートという白い布で肩や頭を覆うことがあります。
・黒ずくめの服装
ユダヤ人の代表的なイメージと言えば、黒いスーツに黒い帽子です。
ちなみに靴下や靴も黒色です。
黒いスーツの内側には白いシャツを着ています。
黒い帽子で隠れていますが、キッパも装着しています。
テフェリンは黒い帽子で隠れることがありますが、おでこ上部に固定する場合は見えています。
テフェリンを装着している場合、黒い革ひもが帽子の後ろから垂れ下がっています。
まとめ
なるべく詳しく書いてみましたが、特徴がおわかりいただけたでしょうか。
ユダヤ教徒はこのような身なりをして小刻みにお辞儀をしながらお祈りをします。
身なりは宗教的な立場、宗派、儀式などによって多少異なります。
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