トラブルが発生しました!
タフリール広場行きのタクシーの中で私は支払いの準備をしていました。
お金の用意はできましたが、嫌な予感がしてきて何度かカバンの中を探りました。
『なにかとんでもないことが起きているような……』
午前3時にタフリール広場に降り立った私は広場の真ん中で改めてカバンをあさって、それを探しました。
そして分かったのです。
ガイドブックを紛失しました!
旅でいつもお世話になっている『地球の歩き方』がなくなっているのです!!
2人の男性と一緒に乗っていた乗り合いタクシーの中でどうやら忘れてきたようです。
乗っている間、座席は真っ暗でした。
ガイドブックを自分の横に置いておいたのですが、降りる時に暗すぎてそれに気づかなかったのです。
もちろん2人の男性が持ち去ったわけではありません。
「よし、旅が始まる!」と思った矢先に、頼りのガイドブックをなくしたため、その絶望感はすさまじいものがありました。
旅の三種の神器
旅をする上で私にとって大切な物は3つあります。
「パスポート、お金、そしてガイドブック」です。
これら以外の物を失ってもなんとかなります。
今回、旅の初日に三種の神器の1つを失ってすべてが終わったような衝撃を受けました・・・・・・。
なにせガイドブックがなければ、何がどこにあるのかさっぱり分かりません。
訪れたい遺跡の場所、見学時間、入場料、そこまでの移動手段など大切な情報をすべて失ってしまったのです。
夜中の3時に初めて降り立った地で気づいたものですから心細さもひとしおです。
スマホやパソコンがあればさほど問題ないと思いますが、私はそういうものを旅に携行しないのです。
不思議な感覚
タフリール広場で私は路頭に迷っていました。
しかし、20分くらいすると私の中に不思議な感情が湧いてきました。
「ガイドブックがないなんて、これこそ冒険っぽい!」
私は妙にワクワクし始めてなんだか楽しくなってきました。
まずは広場のどこかに地図はないか探し始めました。
しばらくして地図の案内板を見つけました。
アラビア語で書いてあるので文字はまったく読めません。
実際の景色と地図を見比べて東西南北を確認しました。
飛行機の中でガイドブックを読んでいましたので、泊まりたいホテルは決めていました。
予約はしていませんが、それはいつものことです。
ホテルがタフリール広場の近くにあることは分かっていたので、あとは地図を見て場所の見当をつけました。
そして、推測を積み重ねながら捜索しました。
ホテル発見!
20分ほどしてついにホテルに見つけました。
1泊1400円のホテル・アラベスクです。
フロントに着くとホテルのスタッフがサッカーゲーム『ウィニングイレブン』をしていました。
「やけにゲーム内の実況がよく理解できるなあ」と思っていたら日本語の実況と解説でした。
日本のゲームがそのままエジプトで遊ばれているのですね。
ホテルのシャワーが異次元の場所に
空き部屋があったので無事にそのホテルで泊まれることになりました。
部屋に行き、さっそくシャワーを浴びることにしました。
そこで私は日本ではありえない場所にシャワーがあることに衝撃を受けました。
それを説明する上で、皆さんの想像力が必要になります。
まずは皆さんのご自宅のトイレを想像してください。
扉を開けるとすぐ目の前にトイレがありますよね。
右奥と左奥にそれぞれほんの少し隙間があると思います。
このホテルではその右奥の上部にシャワーが備え付けてあるのです!!
「ここぉ!?」となりますね。
私もそうなりました。
その隙間に入り込むようにしてシャワーを浴びました。
トイレにもシャワーが降り注いでいます。
トイレはもうびしょびしょです。
チェックインする時に『シャワーはありますか?』と確認したら、フロントの人は「ある」と答えていました。
『フロントの人、嘘はついていないな』と思いながらシャワーを浴びました。
『エジプト、すごい・・・・・・』、そう思いながら旅の1日目が終わりました。
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