ベネルクス
ベネルクスって、何?
ベネルクスは日本ではあまり知られていない言葉ですね。
ヨーロッパを旅行しても知る機会がないかもしれません。
ベネルクスとはベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3カ国の総称です。
ベルギーの「ベ」とルクセンブルクの「ルクス」は分かりますが、オランダが「ネ」というのが納得できないかもしれません。
実はオランダの正式な国名は「ネーデルランド王国」と言います。
その頭文字の「ネ」がベネルクスの「ネ」なわけです。
ベ ……ベルギー
ネ ……ネーデルランド
ルクス……ルクセンブルク
なぜベネルクスと呼ぶようになったのでしょうか?
ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの周囲にある国は経済大国であるドイツとフランスの2カ国のみです。
他にもヨーロッパには経済先進国が数多くあります。
その中で小国同士が経済を発展させるには互いの関税を軽減するなどの協力関係になる必要があったのです。
そこで、1948年に3カ国がベネルクス関税同盟を結びました。
ここから3カ国のことをまとめて「ベネルクス」と呼ぶようになりました。
この3カ国が経済協力をしたことが現在のEUの発足につながっています。
日本はなぜネーデルランドをオランダと呼ぶのでしょうか?
世界を知ろうとすると学校の歴史の授業を思い出すことがあります。
今回は日本史を思い出してみましょう。
オランダは鎖国の時代にも日本と貿易をしていましたね。
オランダ人が最初に日本を訪れたのは西暦ちょうど1600年。
海賊船と間違われたオランダの商船リーフデ号の乗組員はあの徳川家康と面会します。
家康からたいそう気に入られたオランダ人は日本との貿易が認められます。
鎖国になってもオランダは特別扱いで日本との貿易が許されていました。
その頃よりも更にさかのぼった戦国時代にはポルトガル人がすでに日本に来ていました。
フランシスコ・ザビエルもその一人です。
そのポルトガル人がポルトガル語でネーデルランドを「オランダ」と呼んでいました。
そのため、日本人も「オランダ」と言うようになったのです。
ちなみに「オランダ」という呼び名の由来はオランダの地名である「北ホランド州」、「南ホランド州」の「ホランド」です。