アルメニア、この国の名前の響きが好きです。
ファンタジーの物語に出てきそうな架空の国名のようです。
実際に首都エレヴァンの共和国広場の美しさは秀逸です。
イルミネーションやライトアップが綺麗でディズニーランドにいるような気持ちです。
しかし、アルメニアの歴史は残酷なものでした。
アラブの侵入、ペルシャの侵略、更には19世紀後半から20世紀前半のオスマン帝国による大虐殺など受難が続きました。
オスマン帝国は現在のトルコであるため、アルメニアはアルメニア人大虐殺の追悼記念日には毎年トルコを非難しています。
大虐殺による死者は100万人から150万人と言われています。
アルメニアの基本情報
正式国名 ハイアスタン共和国
首都 エレヴァン
言語 アルメニア語、ロシア語、クルド語、アッシリア語
時差 5時間(夏は4時間)
通貨 ドラム
ビザ 必要。全ての陸路での越境地点で取得可能。観光ビザであれば国境でも空港でも即時取得できる。滞在登録不要。
プラグ C
エレヴァン
ジョージアから国境を越えてきた私はアルメニアの首都エレヴァンに到着する間に貴重品などを盗まれてしまい、気落ちした状態でアルメニアの旅を始めました。
アルメニアではまず盗まれた物を買い直すところから始めました。
エレヴァン市街には大きな見どころはありませんが、綺麗な街なので散策してほしいです。
日中は郊外のエチミアジンやエレブニに出掛け、夕方以降はエレヴァンの散策がおすすめです。
共和国広場
エレヴァンの町の中心です。
周囲には高級ホテルが立ち並んでいます。
ジョージアから国境を越えて来ると共和国広場で降ろしてくれます。
夜はあまりにも美しくて何度も見に行きました。
自由広場
オペラ・バレエ劇場が中心にあります。
日中は子どもたちの遊び場になっています。
カスカード
自由広場の北にある長い階段です。
エスカレーターもあります。
一番上は展望台になっていてエレヴァンの街全体を見渡すことができます。
カスカードには世界の彫刻家たちが造った現代的な像が置かれています。
聖グリゴル・ルサヴォリチ教会
近代的な教会で真新しいです。
内部は装飾が控えめでスッキリとしています。
多くの礼拝者が出入りしていました。
空港行きのマルシュルートカの停留所の前にあります。
リプシメ教会
618年に建造された教会で世界遺産に登録されています。
リプシメはアルメニアで布教活動をしていたローマ人女性の名です。
リプシメは、非キリスト教徒であったローマ帝国ディオクレティアヌス皇帝からの求婚を断り、アルメニアに逃げてきました。
さらにアルメニア国王トゥルダト3世からも求婚されましたが、彼も非キリスト教徒だったため断ると殺害されてしまいました。
この教会内にリプシメの墓室があります。
トゥルダト3世とは?
トゥルダト3世はキリスト教の布教活動をしていた聖グレゴリウスを修道院の穴の中に幽閉しました。
その後トゥルダト3世はリプシメに出会って求婚しますが、断られてしまいます。
その腹いせにリプシメを殺害してしまいます。
しかし、トゥルダト3世はその報いか重い病にかかりました。
先にキリスト教に改宗していた姉の忠告を聞き入れ、キリスト教を布教することにしました。
投獄されていた聖グレゴリウスも西暦300年に解放しました。
さらにキリスト教を国教として受け入れ、建設した教会の地下墓地に聖リプシメの亡骸を埋葬しました。
リプシメは殺害されてしまったのは悲劇ですが、それをきっかけにトゥルダト3世は世界で初めてキリスト教を国家宗教に定めることになりました。
聖ガヤネ教会
聖ガヤネを祀るために7世紀に建てられた教会です。
聖ガヤネとは聖リプシメと共にアルメニアに逃げて来た女性です。
アルメニアの結婚式
アルメニアの若い男女は聖リプシメ教会など由緒ある教会で結婚式を挙げることにあこがれているそうです。
教会で結婚式を挙げた後、花嫁は純白のウェディングドレスを着たまま、花婿と共に教会の外に出ます。
家族や友人に見守られながら高級な車に乗り込み、新しい人生へと旅立って行きます。
映画の撮影スタッフのような人達が本格的な機材で結婚式の様子を撮影しているので驚きました。
リプシメ教会と聖ガヤネ教会で2つの結婚式を見守っていた私も思い出の1ページに選ばれたのでしょうか、私もしっかり撮影されていました。
アララト山
アララト山は隣国トルコにある山です。
トルコ東部は情勢が不安定であるため旅する場所ではありません。
そのため、事実上アルメニアからしかアララト山を見ることはできません。
旧約聖書によるとアララト山はノアの方舟が漂着したところとされています。
標高5165mです。
天気が良ければエレヴァン市街から見られるそうです。
エレブニ
紀元前783年、古代ウラルトゥ国の王が要塞都市エレブニを築きました。
エレヴァンの発祥地です。
遺跡は朽ちていますが一部の城壁は修復されています。
アララト山を見るには絶好の場所だそうです。
エレブニへの行き方
エレヴァンのマシュトツ大通りを通る1、37番バスで15分程度。
旅行客が風景を見て「ここがエレブニだ」と判断するのは難しいです。
運転手にエレブニで降りたいと言っておいたほうが良いです。
バス停を降りた後、何もない道を15分ほど歩き、丘の上にあるエレブニの遺跡を目指します。
私の体験
エレヴァンでアララト山を見たかったのですが、曇っていて見られませんでした。
エレブニのほうがアララト山を見られる確率が高いので向かうことにしました。
バスを降りた後はかなり迷い、遺跡らしい場所が見つからず苦労しました。
遺跡を訪れる観光客も誰もいないのです。
車整備をしていたおじさんに道を聞いて、ようやく辿り着きました。
真冬に丘の上にあるエレブニ遺跡にいるのは寒さとの闘いです。
アララト山を見ようと6時間ほどいましたが、曇っていて見られませんでした。
エレブニにアララト山を見にいこうとする方はエレヴァンの天気を参考にしてください。
エレヴァンが曇っていたら、おそらくエレブニも曇っています。
丘の上にあるエレブニ遺跡に向かう前に食料や飲み物を用意したほうがいいです。
遺跡では何も買えません。
エレブニ遺跡内に6時間いて、見かけた人は2人だけでした。
その2人は地元の高校生くらいの男の子です。
あまり注目されていない遺跡のようです。
アララト山が見られず残念でしたが、幸運にも次の目的地へ行く飛行機からアララト山が見えました!
ズヴァルトノッツ国際空港
アルメニアのエレヴァンの近郊にある国際空港です。
とても綺麗で清潔な空港です。
出国審査の後は両替できないので気をつけましょう。
アルメニアの伝統料理
エレブエ・エリヴァンというレストランでアルメニアの伝統料理を食べました。
このレストランはアルメニアの伝統料理専門店です。
ウェイトレスの人達も民族衣装を着ていました。
カスピ海ヨーグルトを使ったスープ
アルメニアはカスピ海に面している国だけあって、カスピ海ヨーグルトをスープにも使用します。
スープの中に大麦が入っているのでもちもちとした食感を楽しめます。
香草が効いています。
スープの表面には溶かしたバターが浮かんでいます。
キョフテに衣をつけて揚げた物
揚げ物をナイフで切ってみるとトルコ料理名物キョフテが入っています。
キョフテはラム肉もしくは牛肉の挽き肉を団子状に丸めて焼いた料理です。
アルメニア料理は隣国のトルコ料理と縁があるようです。
ギュムリ
アルメニアのビールです。
すっきりしたのど越しで飲みやすいです。
-
「アルメニアの旅 -エチミアジンに行きたいけど・・・・・・-」 読めばすぐに行きたくなる旅行ガイド
続きを見る
-
「エチオピアの旅 ‐ラリベラの岩窟教会群‐」 読めばすぐに行きたくなる旅行ガイド
続きを見る